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時計職人の店 三井堂

時計の不具合例重複する説明は省略してあります

手巻き腕時計の不具合例

ゼンマイは一杯に巻けるけど時計が動かない
この場合には、少なくともゼンマイ切れは無いですね。時計が動かない原因を推測しながら修理を進めることになります。
単純に歯車の油切れや、歯車同時の連結部分の汚れ、ゼンマイ芯の受け穴の磨耗、等々様々な原因が考えられます。
しかし、全く直らないという事のほうが少ないので御安心ください。
いずれにしても手巻時計は何十年も前に作られたものですからね、整備は必要になってきます。

ゼンマイをいくら巻いても巻ききれない
手巻ゼンマイの最後の部分には、返り(釣り針の返りと同じです)が付いています。
これはゼンマイが格納されている香箱という部品の内側の突起に引っかかり、巻き止まる様に作られています。
この最後の返りの部分が切れると、ゼンマイは巻けて時計も動くのですが、巻き止まりが無くなってしまいます。
対策としてはゼンマイ交換、もしくは返りの部分を作ってやることも出来ます。この場合にはゼンマイ交換は必要ありません

ゼンマイを巻くと妙に軽く手応えが無い
この場合は、ゼンマイの根元に近いところが切れています。このケースでは時計は全く動きません。
また、ゼンマイが目一杯巻かれている状態で切れますと、その衝撃で歯車のシャフト部分が折れることもあります。
このケースではゼンマイは交換するしかないですね。純正部品が欠品していても近い形状のもので対応できますので 大丈夫です。

時計が表向きの時は動くが裏向きだと止まる
このケースでは時計の心臓部分(テンプといいます)の中心軸先端部分が折れている可能性が高いです。
折れていないほうが下になると動くのですが、逆ですと止まるんですね。
対策としては、中心軸(天芯)の交換あるいは新規造りになります。費用は5−8000円くらいです。
高い所から落としてしまった
高い所から時計を落とすと、どなたでもヒヤッ・・としますよね。
下が硬いところですと天芯折れを心配しなければなりません。しかし下が絨毯のような柔らかいものの場合には 例え時計が止まっていても安心してください。
このケースはテンプ下の振り石とアンクル脱進機との連結が外れた だけですのですぐに直ります。
テンプユニットをいったん外し、アンクルとの連結に注意しながら再度取りつければ大丈夫です。

リューズを引っ張ると妙に軽い
これは裏押さえというリューズを引く時の制御バネの一部が折れている証拠です。
普通、時間を合わせるためにリューズを引く時は、カキッとした手応えがあるものですが、裏押さえの腕の部分が 折れると、引きが緩くなります。
対策は、裏押さえ交換か新規造りです。費用は3−4000円くらいです。

時間が妙に進む
時計が遅れるのも気になりますが、妙に進むのも困りものですね
原因は3つあります。ひとつは天芯(テンプしゃふと先端部分)の磨耗、もうひとつはヒゲゼンマイに油や水分の付着によって、ヒゲゼンマイ 同士がくっつき、回転周期が狂う
最後の原因は、時計を落としたショックでヒゲゼンマイの一番外側が、緩急芯(時間調整のためのレバー) に引っかかってしまう、というものです。
最初の磨耗原因では、1日に数分のレベルですが、後の2つの原因ではそれこそ1時間で何分も進むというひどい進み方になりますので割りと 分かりやすいのが特徴です。
いずれのパターンもきちんと直りますので御安心ください。

自動巻き腕時計の不具合例

ゼンマイをいくら巻いても巻ききれない
オートマティックゼンマイの末端処理は、手巻のゼンマイとは全く違います。
これはゼンマイが格納されている香箱という部品の内側の壁を突っ張る様にズレながら回転していくからです。
という事は、ゼンマイをいくら巻いてもスリップ機構といって、巻ききれないように作られているんですね。
逆に巻き止まりがあると、オートマティクローターが回転し続けゼンマイを切ってしまうからです。ですので巻ききれないのが正解なんです。

ゼンマイを巻くと妙に軽く手応えが無い
この場合は、ゼンマイの根元に近いところが切れています。このケースでは時計は全く動きません。
ただ手巻時計のケースと違うのは、オートマティック切り替え車などの部品も、巻上げ時に一緒に回転するので巻上げが結構重いんです。
手巻の場合にはすぐにわかる症状でも、オートマティックですとそれらの部品の回転を伴うためわかりにくいケースもあります。

時計が表向きの時は動くが裏向きだと止まる
このケースでは時計の心臓部分(テンプといいます)の中心軸先端部分が折れている可能性が高いです。
折れていないほうが下になると動くのですが、逆ですと止まるんですね。
対策としては、中心軸(天芯)の交換あるいは新規造りになります。費用は5−8000円くらいです。

朝になると時計が止まっている
よくあるケースですね。考えられることは油切れによりオートマチックの巻き上げ自体が重くなり、巻き上げ効率が落ちていること。
あるいはオートマチック機構のキモになる切替車というパーツが壊れている可能性があります。切替車の故障があるとリューズでゼンマイを巻き上げた際にローターごとグルグル勢いよく回りますので症状としてはわかりやすいです。
いずれにせよ正常な状態ではないので点検ないし分解掃除が必要になります。

振ると何か音がする
イメージしてください。人が傘を持って立っています。傘のえを持って傘をクルクル回しています。
この時の傘がオートマティックローター、傘のえがローター芯です。
このローター芯が折れるとローター自体が機械から離れてしまい ケースの中にぶつかりカタカタ音を出すわけです。
修理としては、ローター芯だけの交換で大丈夫です。
どのメーカーも芯のみを交換することを前提に作っているので、ローター全部 を交換する必要は無いわけです。あーよかった・・(笑)

クオーツ(電池式)腕時計の不具合例

秒針がピクピクして時計が動かない
これがクオーツ時計で一番多い症状ではないでしょうか。色々な原因が考えられますが、一番多いのは歯車の連結部分の汚れ、あるいは油
切れなどでしょう。いずれにしても時計は動きたいのに,何か障害があって動くに動けないといった症状になります。
集積回路がやられていなければ通常の分解掃除で問題無く直るパターンです。電気コイルが切れている時にはピクピクといった動きは全くありません。電気が通っていないので当たり前といえば当たり前ですが・・・(笑)

時計は動いているが時間が遅れる
時計が動いているにも拘らず時間が遅れていく原因についてですが、やはり気が付かないところで時計が止まっている可能性が高いですね。
クオーツ時計がトラブルを起こした場合の90%が「遅れ」という症状で現れます。逆にいえば遅れている限り部品交換なしの通常の分解掃除で直る
可能性が高く、割りと軽傷といえるかもしれません。
ごく稀に「置き回り」という症状でこの様な遅れが出ることもありますが、10年以上使用したお時計でないと出にくい症状です。

時計は動くが時間が進む
この場合は、結構重症です。
一番思い当たるのが時計制御のための集積回路故障ですね。
機種によってはもう部品が手配できなくなっていますので修理が出来ない場合も考えられます。あまり多いトラブルではないですね。

電池がすぐなくなる
このケースでは二つの理由が考えられます。
ひとつは集積回路の故障、もうひとつは歯車の油切れなどで歯車を動かすのに余計な力が必要になり電池の消耗が多くなっているパターンです。
それと最近多いのが、妙に電池交換の安いお店での電池交換が原因の場合です。この様なお店では再生電池を使うことが多く、この電池の性能があんまりよくないケースもあります。やっぱり電池交換は専門店で行ってください。

時計が止まって放っぽっといた
これがクオーツ時計の調子を落とす一番多いパターンです。なぜダメなのかと言えば時計が止まった後放っておくと電池から液漏れを起こす
可能性が高くなるからです。
漏れた液は集積回路や歯車に悪い影響を及ぼす恐れがあります。時計が止まったらなるべく早く電池交換するか、使わなければ電池を抜いてしまうのも賢明な対策方法です。

リューズが引っ張れない
クオーツ時計は非常に時間がよく合いますので、普段時間合わせとかは皆さんやりませんよね?
それこそがこのトラブルの原因です。水や汗が巻き芯をサビさせ、それが時計のパイプ内で固着してしまい、リューズが引けなくなるんです。
たまには時間合わせを行うと同時に、日常生活防水仕様のお時計は汗、水には十分ご注意下さい。

クロノグラフの不具合例

針の位置がゼロに戻らない
これには色々な原因が考えられますね。機種別に多いパターンをご説明します。オメガの2892ベースのオートマですとリセットレバーのヘタリが多いです。バルジューですとハートカムの汚れというパターンが多いですね。
古い機種ですとクロノグラフ針のハカマ部分の緩み、という単純な原因の場合もあります。いずれの場合も結構気になるところですよね

プッシュボタンが重い
プッシュボタンという部品自体クロノグラフ独特のものですよね。操作感が重くなることも多いですよね。大部分はプッシュボタン周りの汚れに起因することが多いです。
時計のケースとプッシュボタンの間に汚れと汗が混ざったものがたまってしまい、これがスムーズな操作感をスポイルしてしまいます。
通常は分解掃除の時に必ずプッシュボタン周りは分解して洗浄、シリコングリースを塗ってスムーズに動くように調整します。

クロノ作動時に針が震える
クロノグラフを作動させるとクロノグラフ針が震えることがありますよね。
これはスライディングホイールがクロノグラフにあたる具合が浅いんです。当たりが強いと止まりがでますが、稼動を重視しすぎると当たりを浅くして、そうすると針が震える症状が出ます。
当たりを調整することで解決できます

12時間積算計が勝手に動く、リセットするときに位置がずれる
このケースも以外に多いですね。バルジュー系のキャリバーでは結構多く発生するトラブルです。
オメガの手巻スピードマスターにもたまーに発生することがあります。
原因は12時間積算計車の調整不足や香箱バネの調整不足、あるいはプラスティック製ストッパーの磨耗などがありますが、いずれもきちんと修理することは可能です。
逆に言えばこの針が滑り出したら、分解掃除の時期が来たな、と思ってください。

柱時計の不具合例

ゼンマイは一杯に巻けるけど時計が動かない
この場合には、少なくともゼンマイ切れは無いですね。時計が動かない原因を推測しながら修理を進めることになります。
柱時計の場合にはゼンマイの力が非常に強く、そのために歯車に対して力が加わります。その結果長年の使用の結果歯車のシャフトが入りこむ穴が磨耗して歯車がきちんと回転しなくなります。これが時計不動の主な原因なんです。
修理の時はその磨耗をきちんと調整してやることがとっても大事な作業になります。

ゼンマイをいくら巻いても巻ききれない
柱時計のゼンマイ切れはほとんどが中心軸に近いところが切れることが多いんです。そうするとゼンマイを巻いた時に信じられないくらい手応えが軽くなります。こうなるとゼンマイ交換になりますね。現在は1週間、10日、14日巻きでしたらゼンマイの手配は可能です。
部品の手配ができない30日巻きなどの場合には切れた箇所をつなげる作業が必要になります。重なる様にあわせてリベットで止めるんですね。いずれにしても修理はできますので御安心下さい。

ゼンマイの巻き方が分からない
若い方ですとお分かりにならないかもしれません。時計を正面に見て右が時計稼動ゼンマイ、これは反時計周りに巻いてください。左側は時打ち用のゼンマイですので時計回りに巻いてください。
ごく稀にこのパターンに当てはまらないものもありますが、その時には手応えがまるで違って巻けません
あるいは巻きにくいのですぐに分かると思います。それとゼンマイは巻き鍵でこれ以上巻けなくなるまで巻いてください。途中で止めると時計の稼動時間が短くなります。

時打ちの数が時間と合わない
これもよくあるトラブルですね。なぜそうなるかといえば色々に原因はあります。結構多いのが時間合わせの時の間違って針を動かしてしまう、なんてのもあるのでは??  
さて解決方法ですが簡単です。毎正時の時(長い針が12時位置の時)に短い針だけ動かしてください。例えば5時なのに6回鳴っちゃう時は短い針を6時のところにギューっと移動します。その後に順回しに時間を送っていって5時に合わせます。必ず時打ちはしっかりさせてくさだいね。
30日巻きは打ち方の狂いが出ないように設計されているので大丈夫です

時打ちがしない、音が変
時打ちがしない場合にはまず左側のゼンマイがきちんと巻かれているかどうかを確認してください。きちんと巻かれていて時打ちがない時は修理が必要です。またゼンマイが巻ききれない時はゼンマイ切れの可能性が高いですね。
鳴っても音がへんてこりんな場合もあります。調整で直る場合もありますが30日巻き時計などの場合、ハンマー先端部分のゴム部分が劣化して音が悪くなるケースもあります。

鳩時計で音がしない
鳩時計の時打ちは「ポッポー」という音ですね。この音を出すのは和紙で作られた「フイゴ」という箇所になります。
古いお時計になるとこの和紙が切れて、そこから空気が漏れて音が出なくなったり、しても変な音だったりします。この時には新しい和紙で「フイゴ」を作りなおします。そうすればまた元のような鳴き声(?)が復活しますよ。

鳩時計で鳩が引っ込まない
出てきた鳩を引っ込ませる為のレバーを作動させるバネが弱くなるとこのような症状が出ることも稀にあります。
バネ調整だけでも出来ますけれども、できれば分解掃除(オーバーホール)も合わせてしていただいたほうが良いかもしれないですね

目覚まし時計のアラームが鳴らない
柱時計の時打ちと同じようにゼンマイを巻いてください。最後まで巻けないのであればゼンマイ切れの可能性が高いですね。
ゼンマイが最後まで巻けるのに鳴らないのであれば、修理が必要です。歯車の汚れ、油切れ、シャフト受け穴の磨耗による事が多いですね。
最近は古い目覚まし時計の修理も多いですね

ウェストミンスターが動かない
この場合には、何はなくとも分解掃除です。
というのもウェストミンスターはオモリも重いものを使用していますので歯車の受け穴の磨耗もそれなりに進行します。基本的には時計の機械部分の土台は恐ろしく厚く出来ていますが、それでも10年以上使用すると磨耗してきます。表面上の修理だけでは対応することが難しい状況でしょうね。

振子を動かすと・・・
柱時計の振子は直接機械に連結してあるわけではないんです。
振りべラといって薄い板状の金属片につながっているんですね。この部品は時計の動き(実際にはアンクルの動きです)と振子の動きをつないでいるとっても重要な部品なんです。ですので力まかせに振子を振ったり、振子自体を引っ張ったりは絶対にしないようにして下さい。この振りべラが切れると新規に振りべラを作らなければならなくなります。

巻き鍵が無くなっちゃった!
巻き鍵とは柱時計や置き時計のゼンマイを巻上げるための道具です。通常は時計の内部に格納する様になっています。
たまーにこれを無くしてしまった!というメールをいただきますが大丈夫です(笑)なんでかと言えばまだ手に入るんですね。
もちろん真鍮のような味のある代物ではありませんが入手可能です。ただしサイズがいくつかあります。時計によって微妙に違うんですね。